Reducing engineering to its fundamentals, to get you even closer to the original recording.
MC|MM デュアルモノ・フォノアンプ
2025年2月1日発売
トラジ・モグハダムの音楽とレコードへの愛は無限です。完璧なアナログ再生のために製作現場と親密な関係を築くだけでなく、自らレコードレーベルを立ち上げる情熱には凄まじいものがあります。 しかし、VERTEREレコードプレーヤーのDG-1/MG-1/SG-1/RG-1というラインナップに比べて、フォノアンプがPHONO-1 MK2 Lだけというのは、いかにPHONO-1がトラジの自信作だとしても、物足りなさを感じていたユーザーも多い事でしょう。そんな中、2024年のミュンヘンHi-Endショウにおいて、私達の期待を上回るフォノアンプをトラジは発表しました。それが遂に登場したフラッグシップ・デュアルモノ・フォノアンプであるCALON(カロン)です。CALONはイギリス・ウェールズ地方の言葉でその意味は「心」。音楽に込められた奏者の心さえも表現する。そんなトラジの並々ならぬ想いがこのモデル名に込められています。
CALONは非常に高価なプライスタグが付けられています。世界中で圧倒的な評価を得ているSG-1PKGや2025年に日本でも発売を予定しているフラッグシップRG-1PKGと組み合わせるべく開発に取り組んできたCALONに一切の妥協はありません。価格的な制約は一切設けず、トラジが考える最高のRIAA変換のために長期間かけて徹底的に開発されました。2つの独立した前段と後段のゲイン・ステージにより、信号の明瞭度とディテールの解像度を比類なくコントロール。専用のLFフィルターは、サブソニック・ノイズによる不必要なエネルギーを調整し、アナログ・ソースが全く新しいレベルの効率性を発揮できるようになりました。また、細やかなインピーダンスとキャパシタンス・コントロールにより、CALONはどんなMM、MCカートリッジとも完璧に調和します。非磁性ステンレス・スチール・シャーシの下には、金メッキを施した2つの4層PCB基板があり、完璧なデュアル・モノ・パフォーマンスを提供。これらすべての恩恵によって、驚異的な新レベルのダイナミクスと音楽表現を引き出すのです。完成したCALONは、アナログ・ソースの新たな鼓動となり、音楽による息をのむような魔法の瞬間を提供する究極のフォノアンプに仕上がっています。しかし、MM/MCに対応しながらも入力はRCA1系統のみ。OUTプットはXLR/RCAのどちらかのみが使用可能とされ、RIAAカーブ以外にも対応していません。トラジはアナログ再生においてXLR入力は必要ないと断言しており、その設計思想は明確です。
究極のRIAA変換のために。その成果はCALONを聴いていただければ瞬時にご理解いただけるはずです。
CALONには、プリ(前段)・リニアライズ(デフォルト(10dB)、+10dB、+20dB)とポスト(後段)リニアライズ(0dB、+2dB、+4dB、+6dB、+8dBのステップ)の2つのゲイン・ステージがあります。これにより、これまで達成できなかったレベルの明瞭さ、ディテール解像度、ダイナミクスを生みだす事に成功しました。
グランドと電源のインピーダンスを完全にコントロールし、シグナルパスとグランドパスのフローを最適化。2つの非磁性(オーステナイト系)ステンレス・スチール製内部カバーが、各チャンネルのピュアオーディオセクションをさらにアイソレート、シールドします。独立した金メッキ4層のコントロール回路により、CALONは動作音も静かで非常に安定しています。
CALONは2層の金メッキ電源基板に2つのトロイダルトランスを搭載しています。ひとつは2本のVERTERE HBグレードケーブルを経由してL&Rオーディオ・ボードに低電圧ACを供給する専用です。もう1つは、整流用の低電圧ACと、ロジック・コントロール、リレー、スイッチング・ボード用の2つの専用安定化電源を供給します。
各オーディオ・ボードには高効率整流が搭載されており、必要なオーディオ信号回路の近くでは、高品質かつ 「超静音」なDCレギュレーションを使用しています。
精密な低域フィルターが、エネルギーを浪費するサブソニック・ノイズによって引き起こされる不要なコーンフラッターを除去し、アナログ・ソースの効率、透明度、鮮明度が大幅に向上します。トラジは基本的にフィルターをONにする事を推奨しており、フィルターは使わない方が音が良いというイメージを持たれている方には、そのサウンドに驚いていただけると思います。また、精密なフェーズ切替も搭載。レコードには、製作過程において誤って、逆位相となってしまったレコードが多数存在します。それどころか、同じレコード内でもトラックによって位相が変わっているレコードすら存在するのです。これらの位相逆転は音楽のタイミングの不一致を引き起こすため、機器の選定以上に重要です。音楽を聴きながらタイミングが揃う方を簡単に選んでいただける切替スイッチは、アーティストが意図した音楽を楽しむという点において、とても重要なポイントなのです。
CALONはMMまたはMCカートリッジに合わせてキャパシタンスと抵抗の両方を9段階で簡単に調整できます。しかもその設定方法は非常に直感的でわかりやすいだけでなく、前面パネルのすぐ後ろに直結された基板構成によって、信号をロスする事なくカートリッジに最適な値に設定可能です。
筐体は非磁性(オーステナイト系)ステンレス鋼から削り出されており、鉄や鋼鉄がもたらす強磁性やフィールドヒステリシスの問題なしに、高レベルのシールドをもたらします。 どのカートリッジを使用しても、より優れたサウンド・コントロールが可能です。
シルバーまたはブラック・アルマイト仕上げのアルミニウム製フロント・パネルは、超研磨ステンレス・スチール製のノブ、スイッチ、インジケーターLEDで飾られています。これらはCALONにセットアップの容易さと素晴らしいクリック感、そして美しいアクセントをもたらしています。
電源部カバーは、オーディオ・ボードと電源の間に必要なシールドを提供。また、グランド(Earth)がもたらす影響について深い知識をもつトラジによって、CALONには3つのシャーシグランドが用意され、さらに左右独立した3ポジション(ハードグランド / グランドリフト / ソフトグランド)の接続を用意。切り替える事で環境にマッチしたアース処理が可能となっています。
型番 | CALON SLV |
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CALON BLK | |
価格 | ¥3,850,000(税込) |
タイプ | MC/MM Preamplifier |
電源 | リニア電源トランス2基 |
ゲインセッティング | 45dB ~ 73dB 15段階 |
入力インピーダンス | 100R – 47k 9段階 |
キャパシタンス | 100pF – 1.0μF 9段階 |
周波数特性 | 20Hz ~ 20kHz +/- 0.2dB |
ノイズ | < -83dB – AWD |
THD-N | 0.01%/td> |
サイズ | W412×H88×D290mm(スイッチ類、脚部含む) |
重量 | 7.0kg /台 |