Reducing engineering to its fundamentals, to get you even closer to the original recording.
MC|MMフォノアンプ
2024年1月25日発売
トラジ・モグハダムのレコードへの愛は無限です。完璧なアナログ再生のために製作現場と親密な関係を築くだけでなく、自らレコードレーベルを立ち上げる情熱には凄まじいものがあります。しかし、その素晴らしい情熱によって得た経験や知識を、一部の人だけが恩恵を受ける価格帯の製品で具現化するのは、トラジの考えとは異なっています。確かにSG-1 PKG(583万円/税込)のようなハイエンドプレーヤーも発売しているVERTEREですが、トラジ自身はこう述べています。「RG-1やSG-1は確かに究極のアナログサウンドを追求したモデルではありますが、それは素材や生産にかかるコストを度外視したものです。しかし、その開発で得られた経験はMG-1やDG-1Sに全て注がれています。両機種は他のアームに変更できないといった制約があるかわりに、パッケージとしての完成度を極限まで高めました。少しの妥協も許さぬ究極のアナログサウンドを目指す一部の人以外にとってSG-1との差は金額ほど大きくありません。多くの人がDG-1Sで最高のサウンドを楽しめるはずです。傑作とご評価いただいているTMS3(Touraj Moghaddam Signature 3)を超えるサウンドをMG-1やDG-1Sが披露する事をお約束します。」
このように、トラジは手の届くハイエンドを無視する事はありません。MG-1 PKGやDG-1S PKG、そして完成度の高いその他のプレーヤー、カートリッジの真価を発揮させるためにトラジが設計したフォノアンプがPHONO-1 MK2です。新たに発表されたMK2 L。外観からわかる変更点は天板にプリントされたPHONO-1という文字くらいです。元々完成度が高くクラストップの高評価を世界中で得てきたPHONO-1MK2にとって、より高価な部品の使用や大幅な回路変更は必要ありません。トラジが行ったのは不要な相互作用を減らすために多くの回路部品の物理的な位置の見直しと、歪みを減らすために信号回路を洗練させるという手法でした。リニア電源は回路基板上に移され、グランドラインの最適化が測られました。さらに電流の流れを改善するためにインピーダンスを下げ、信号経路の最短化等が実行されました。一見小さな変更と思えるこれらは、大きなサウンドの深化をもたらしました。正確な再生音と抜けの良いサウンドに、さらなるダイナミックさが加わった事でPHONO-1の評価はさらに確固たるものになるでしょう。VERTEREのフォノアンプのラインナップはPHONO-1MK2 Lのみ。プレーヤーに比べると物足りなく感じるこの事実が、トラジのPHONO-1MK2 Lへの自信の表れでもあるのです。
MC|MMプリアンプ PHONO-1 MK2Lは、あらゆる高品質なプレーヤーから、最大限のダイナミックレンジと最高のディテールを引き出す工夫が盛り込まれています。フォノステージの設計は非常に難しいものです。回路は1mVといった微細なカートリッジ信号を扱う必要があり、オリジナルの音楽を忠実に再現するためにはその小さな信号を1000倍に増幅し、正確なRIAAカーブに合わせてイコライジングする必要があります。PHONO-1 MK2Lは、10種類以上のゲイン設定によって、ほとんどのカートリッジに対しレベルを完璧に合わせることができます。また、15種類の抵抗値と9種類のキャパシタンス容量が設定でき、10kHz以上の周波数特性を持つMMカートリッジにおいても、適切な周波数バランスを実現可能です
コンパクトな主回路と最高品質部品の採用。PHONO-1 MK2Lの正確なRIAA回路は公差の少ない選別部品のみを使用する事で、ダイナミックレンジの最大化と細部の解像度を高め、洗練された自然な音色を実現しました。二重にシールドされた内部回路や、3ウェイのフォノ基板グランド・マネージメントスイッチにより、ほとんどすべての設置場所でアースに起因する「ハムノイズ」を最小限に抑えることが可能です。PHONO-1 MK2 Lの細部へのこだわり、性能、設計の完成度は、はるかに高額な価格帯の製品にしか実現できていなかったレベルに達しています。デザインはシンプルさが際立つシルバーと、DG-1Sとの組み合わせにも最適なブラック(Illuminated Black)をご用意。性能に差はありません。 音に厚みがあり、ハイスピードでありながら色彩感豊かなサウンドはまさにトラジ・サウンド。手の届くハイエンドがここにあります。VERTERE PHONO-1 MK2 Lは、同価格帯におけるフォノステージの基準を塗り替えるトラジ渾身のフォノアンプなのです。
メインフォノ回路と電源トランスには、高品質な金メッキ基板を採用し、オーディオ信号への影響を最小限に抑えています。
また、選別された高品質な部品の採用や、音質にも優れたハンダを吟味して使用することで、長期間にわたって安定した性能を維持します。
自然故障に対する保証は安心の5年間。製品に対する自信の表れです。
RIAA回路とプリアンプ回路の絶縁(アイソレーション)をさらに高めるため、ステンレス製のシールドを採用しました。
すべての電源部品と回路は、メインカバーのシールド外にあり、信号経路から離す巧みな設計。小さな筐体を実現しながらも、音質最優先の設計です。
本体底面に設けられたディップスイッチに簡単にアクセスできるようになっており、組み合わせによって左右チャンネル毎に15種類の抵抗値と9種類のキャパシタンス(静電)容量を設定できます。完璧なロードマッチングはMMとMC、両方のあらゆるカートリッジのパフォーマンスを最大限発揮するために非常に重要なファクターですが、PHONO-1 MK2 Lはこの点も万全です。
本体底面に設けられたもうひとつのディップスイッチによって10種類以上のゲイン設定が可能。
この設定により、システム内の異なるソース間でのレベル変化を最小限に抑えることが可能です。
PHONO-1MK2Lの背面に設けられた3ウェイ・スイッチにより、プリアンプとシャーシを「ハード・グラウンド」、「グラウンド・リフト」、「ソフト・グラウンド」のいずれかで接続することが可能です。また必要に応じて「信号グラウンド端子も装備。様々なハムノイズに悩まされる事の多いアナログ環境ですが、PHONO-1 MK2 Lとメインアンプの間に発生するハムノイズの可能性を最小限に抑えることができます。
型番 | PHONO-1 MK2 L |
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PHONO-1 MK2 L IB | |
価格 | ¥297,000(税込) |
タイプ | MC/MM Preamplifier |
ゲインセッティング | 40.2dB ~ 62.8dB 14ステップ |
入力インピーダンス | 47kΩ(MM) / 78R to 1.45KΩ(MC) 14ステップ |
キャパシタンス | 100pF or 430pF (MM) / 100pF ~ 1.02uF (MC) 9ステップ |
周波数特性 | 20Hz ~ 20kHz +/- 0.2dB |
ノイズ | < -78dB – AWD |
THD-N | 0.03%/td> |
サイズ | W210×H55×D235mm (スイッチ類、脚部含む) |
重量 | 2.00kg /台 |