Europe's largest audio manufacture brand, A tube specialist since 1995
2024年8月1日発売
2023年1月に日本で発売したPH1.10とPH2.10はこの価格帯のフォノアンプとしては異例のヒットとなりました。全国のアナログに強いと言われている専門店の多くがCANORの真空管とは思えないSNの良さと、真空管でしか出せないと感じさせる美しい音色に惚れ込み、知名度がまだないブランドにもかかわらず、積極的に薦めてくださったのです。
AASTERION V2は、PH1.10と設計思想は共通としながらも、全方位にアップグレードされた上位モデルです。まず回路の見直しを行い最新の設計に刷新。天板はアルミ製に変更されており音質への貢献だけでなく高級感の向上にも繋がりました。またPH1.10にはなかったXLR入力(MC)を装備。外観には天板くらいしか違いはありませんが、サウンドは圧倒的な評価を得ているPH1.10と比べても一瞬でわかるほどの違いを見せつけるASTERION。ほぼ内製で生産できるCANORにおける50万円の価格差は、一般的なメーカーとは根本的に違うのかもしれません。
合計9本の真空管が採用されており、1つは6CA4EHでアノード電圧の整流に使用され、残りの8本は6922EH双三極管です。RIAAカーブ補正は純粋なパッシブ回路で行われ、最後に真空管では極めて低インピーダンスなバランス出力段を形成するために、チャンネルあたり4つ、合計8つの三極管(双三極6922管4本)が使用されています。青色アルマイト処理されたアルミニウム製シールド・シリンダーは真空管を振動や電磁干渉から保護。もちろん、使用される真空管はカノアが誇るBT-2でエージングを行い、Aladdinシステムを用いて測定・選別されたものだけが採用・マッチングされています。
内部は非常に美しくレイアウトされています。フロントパネルの後ろはコントロールとユーザーインターフェース部、もうひとつは金属製ボックスに収められたトランス備えた電源部、そして最後は個別基板と2つのステップを備えたゲイン領域です。
ASTERION V2は、両チャンネルの信号経路を厳密に分離。電源電圧を個別にフィルタリングします。電圧安定化は左右チャンネルで別々に行われるため、チャンネルセパレーションの向上、ノイズと干渉が最小限に抑えられ、よりクリーンで正確なサウンドを実現しました。
機械的なハム音を排除するため、トランスは自社内で真空含侵され、特殊な防振化合物でカプセル化。さらに頑丈な溶接カバーで覆われ、優れた電磁シールドとSN比を高める事に寄与しています。外部電圧源からの干渉を防ぐため、一次巻線と二次巻線は銅箔で分離され、50%のオーバーラップでシールドされました。
MMとMC間は完全に干渉しないため、ユーザーはカートリッジの違いを存分に楽しむ事ができます。使用するカートリッジの特性に合わせて、ゲイン、負荷容量と静電容量の設定を直感的にフロントパネルから簡単に調整できるユーザーフレンドリーな設計です。アナログにおいて聴きながら設定変更できるメリットは想像以上に大きなものです。またMC入力ではMC1(70dB)とMC2(76dB)の設定が用意され、それぞれ設定できる入力インピーダンスが違いますが、重なっている値(10-300Ω)では出力の違いと共にサウンドの違いを好みで選んでいただく事も可能です。
透明感、倍音の豊かさ、広大なサウンドステージ、そして何より真空管フォノでは達成できなかった静寂性から大ヒットとなったPH1.10。そのPH1.10をさらに発展させたASTERIONのサウンドは想像を超えます。設立以来様々なメーカーの製品設計、製造を手掛けてきたCANORの経験値は自社ブランドに遺憾なく注がれます。CANORの音は一度聴いたら忘れられない。惚れ込んだ店員さんの言葉です。スロバキアから届いた最新の真空管フォノアンプをどうぞお試しください。
MM/MC両フォノ・カートリッジに対応した全真空管プリアンプ | |
トゥルー・ディファレンシャル回路を採用したXLRバランス入出力 | |
MM/MCは干渉せず同時接続が可能 | |
フロントパネルのノブとボタンにより、MM/MCの選択や各セットアップが素早く可能 | |
フロントパネルのノブとボタンにより、MM/MCの選択や各セットアップが素早く可能 | |
9本の真空管のうち、1本(6CA4EH)はアノード電圧の整流に使用 | |
グローバル・フィードバックがない回路設計 | |
PCB基板にはカノア・オリジナルCMT™テクノロジーを採用 | |
自社開発システムを用いた200時間のエージングと徹底的な測定選別による真空管のマッチング | |
真空含浸(vacuum-impregnated )トランス・コア / 特殊な防振材を使用したトランス | |
信号経路には高品質なポリプロピレン・コンデンサーのみを採用 | |
あらゆるカートリッジに対応する高い抵抗値、容量設定 | |
MCフォノ・カートリッジ用に高品質なルンダール(Lundahl)社製トランスを採用 |
MM負荷容量/ゲイン | 50, 150, 270, 370, 520, 620, 740, 840 pF / Gain: 46 dB |
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MC1入力インピーダンス/ゲイン | 10, 20, 40, 80, 150, 300, 600, 1.200 Ω / Gain: 70 dB |
MC2入力インピーダンス/ゲイン | 2, 5, 10, 20, 40, 80, 150, 300 Ω / Gain: 76 dB |
出力インピーダンス | < 250 Ω(RCA) / <600Ω(XLR) |
入力 | 3系統 (XLR - MC , RCA - MC / MC) |
出力 | 2系統 (XLR / RCA) |
全高調波歪 | MM / MC <0,1% / 1 VRMS |
サブソニック・フィルター | 18 dB / Octave / 18Hz |
RIAA精度 | 0,3 dB / 20 Hz - 20 kHz |
S/N比MM | < 72 dBV (87 dBV - IEC - A) |
S/N比MC | < 68 dBV (87 dBV - IEC - A) |
使用真空管 | 8×6922EH, 1×6CA4EH |
サイズ | W435×H170×D485 mm |
重量 | 18.0kg |