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Still an unknown brand.
But the world's most famous speaker consultant has finally launched his own brand.

image FINK team KIM

KIM

¥2,200,000 税込

2021年7月5日発売

FINK team NEW LOUDSPEAKER “KIM”

2019年のミュンヘンで話題となった後、世界中のWEB媒体や誌面で絶賛された記事が多数掲載され、“BORG”は大きな成功を収めました。FINK AUDIO-CONSULTINGとしても、他社からの仕事で多忙を極めている同社にとって、一度に多くの新作を設計するのは難しく、BORGに続くスピーカーをどのようなモデルにするか決めかねていました。世界中の代理店に意見を募ったところ、より高価なモデルを求める声と、買い求めやすいモデルを求める声が半数に分かれました。そこで、カールハインツとその仲間たちは、今までと違う目的で設計する事にしたのです。BORGは自分達の技術力を知らせるための妥協のないステートメント・スピーカーでした。そこで今回は「自分達が家でリラックスして音楽を楽しむための最高のスピーカー」を目標に掲げました。そう、彼らがはじめて自分達のために設計したスピーカー。こうして誕生したのが、”KIM(キーム)”です。

KIMにはBORGにはない設計目標が加えられました。それは、BORGのイノベーションを可能な限り盛り込みながら、品質は落とさずにより多くの人に使ってもらえる価格を実現する事。そして、目立たなく部屋にある家具とマッチするデザインと大きさにする事。そのために、窓の下に収まる高さと壁際に置いてもバランスのとれたサウンドが得られようにする事の3点です。これはBORGの開発よりも難題でした。重厚なマグネットを使用したペーパーコーンによるバスレフシステムと、ムンドルフコアをベースにしたオリジナルAMTによる2ウエイ構造。キャビネットからの不要な放射を避けるために必要な全てを備えたエンクロージャー、最高品質のパーツを採用し、高度に最適化されたクロスオーバー。35年以上にわたる全ての経験が注ぎ込まれた最高のスピーカーが完成しました。

2020年末に発表したKIM(キーム)をカールハインツは次のように表現しています。「KIMは最新の設計であり、自分達が最も誇りを持っているスピーカーです。BORGは本当に完成度の高いスピーカーですが、非常に高級です。KIMは半額以下に抑えながら、さらに圧倒的な使いやすさも加え限りなくBORGに近いサウンドを提供します。斬新かつ革新的な多くのアイデアによって、そのサイズからは想像できない音楽、感情、そしてスケールを提供できるようになりました。」

image FINK team KIM Award


KIMは発売されてから世界中の権威ある賞を数多く受賞し、あらためて良質な2ウエイ・スピーカーの素晴らしさを世界が再確認し始めました。スピーカー業界内では最も有名にもかかわらず、一般的にはあまり知られていなかった大物FINK team。2021年ついに日本にも上陸します。



ENCLOSURE

FINK teamのスピーカーを語る上で最も重要な要素のひとつがエンクロージャー構造です。シンプルに見える外観からは想像もできないオリジナル技術が多数内包されています。スピーカー設計において、キャビネットのSN比は最重要ポイントです。何年もの間、スピーカーの設計において、ポリエステルやウールといった「魔法の」吸収材をキャビネットに詰め込む設計と、比較的内部に空間を保つ設計の間で、論争が繰り広げられてきました。全ての設計要素と同じように、どちらにも賛成する意見があります。大量に詰めた何かは、サウンドを”遅く”してしまう傾向を持っていますが、よりHiFiサウンドになると言われています。しかし、グルーヴ感に欠ける面白くないサウンドになりやすいのも事実です。KIMのエンクロージャー構造はこの論争に終止符を打つほどの完成度を誇ります。詰める何かは必要か?答えはNOです。

image FINK team KIM Cabinet


放射エネルギーを最小にするための設計は、レーザー干渉計とFEA(有限要素解析)の恩恵なしには不可能ですが、世界で最高の測定機を揃えているFINK teamの力はここでも遺憾なく発揮されます。フロントバッフルは、AMTツィーターを中心に幅が300mmから205mmに狭められており、高域の指向性を助け、余計な回析を最小限に抑えます。新開発のオリジナル・ダンピング材で接着された多層構造のMDFパネルがフロントバッフルを形成し、精密なCNC加工が施されます。サイドとリアパネルにも同様の手法が用いられていますが、さらにサンドイッチ構造が加わっており、パネル共振の不用意な広がりを避けるために、ブレーシングが一次元内で行われます。

振動に関するスペシャリストであるシュトランクが設計した独自のアブソーバーが定在波を除去。この独自のヘルムホルツ共鳴器は定在波と逆位相になっており、この画期的な構造により一般的なスピーカーのように大量の吸収材を用いる事なく定在波を打ち消します。つまり、よりHiFiなサウンドを実現しながら、低域は速く、グルーヴ感をも併せ持ったスピーカーを完成させる事ができるのです。

REFLEX PORTS

バスレフポートも非常に設計の難しいファクターです。一般的にブーミーでタイミングの悪い低域になる原因はバスレフポートにあると思われがちですが、そうではありません。適切に設計されたバスレフポートは、低域のパワーハンドリングが大幅に向上し、重要なオクターブの低音は強化され、さらに2ウエイ・スピーカーにおいては、中域にさらなるリアリズムを加える事が可能です。リアパネルに組み込まれたスロット・バスレフポートは37Hzにチューニングされており、”Clean Port”と呼ばれる反位相のレゾネーター(共振器)により、ポートの共振を抑えます。もちろん、壁際に設置されてもその影響は最小限になる設計がされており、バスレフ型のデメリットと思われる要素は皆無です。

image FINK team KIM port



AMT HF UNIT

ツィーターには、オスカー・ハイル氏が確立した原理に基づいて動作するエアーモーション・トランスフォーマー(AMT)を採用しました。FINK teamとムンドルフ社で共同開発したKIM専用のオリジナルAMTは、厚さ25μm(0.025mm)のプリーツ加工されたカプトン振動板に、50μm(0.05mm)のアルミニウム・ストリップを組み合わせたものです。カプトンは優れた内部ダンピングを持っており、驚異的な低歪みを実現します。高精度な製造のために、独自のエッチングプロセスを開発し長期間によるテストを積み重ねて振動板の構成を最適化する事に成功しました。使用されるマグネットは一般的なAMTに比べて数倍のパワーを持っており、さらにコイルはダンピング層を設けてカプトンに接着されています。これらの独自の技術によって、ハイスピードかつ低歪みで高解像度というAMTのメリットを持ちながら、とげとげしさの微塵もない素直なサウンドを獲得する事が可能となりました。

image FINK team KIM

110mmのAMTを採用する事で水平方向に広い指向性を獲得し、広いリスニングエリアで良好なステレオイメージを実現しました。また垂直方向の指向性は意図的にコントロールされており、悪影響を与える天井や床からの反射を抑えると共に、音像が不必要に高くなってしまう事を防いでいます。このオリジナルAMTは、FINK teamのエッセン工場でひとつひとつ丁寧に組み立てられ、歪みが最も少なくなるように調整されます。


MID/BASS DRIVER

FINK teamは35年間あらゆるブランドのスピーカー、ユニットを設計してきました。もちろん金属製の素材も長年開発しており、その膨大な研究データは他社の追従を許しません。そのため、自らのスピーカーブランドを立ち上げるにあたり、もう一度全ての素材の可能性を見つめなおし、あらゆる研究を行いました。そこで出された結論は、紙(パルプ)素材は使い方を間違わなければ現在でも最高の素材であり、素晴らしい設計のパルプコーン・ドライバーはあらゆる要素で、他の素材の上をいくというものでした。

今回KIMのために新たに開発した8インチのオリジナルドライバーは、BORGの10.25インチに比べるとわずかに最大SPLに差はでますが、フルレンジで素晴らしいパフォーマンスを発揮します。超大型マグネットの採用とクロスオーバーに空芯コイルを使用する事で32Hzまで低歪かつクリーンで正確な低域を実現しました。新開発のラバー・ハーフロール・サラウンドは、特殊な素材で非常に柔らかいにも関わらず動作時に引き起こされるカラーレーションを排除するためにコーン紙を素早く終端させます。

image FINK team KIM Bass Drive



Crossover Network

基本的なクロスオーバーのトポロジーは、24dB/octの減衰スロープを持ち、-6dBでクロスする4th order acoustic Linkwitz-Riley(LR4)ですが、HFユニットにはオールパス・ディレイを設け、ウーハーのドライブのために低域にシンプルなインピーダンス補正を施しました。全てのコイルはゼロディストーション空芯設計で、抵抗は低インダクタンスタイプとバイファイラタイプを組み合わせています。この抵抗や使用されるポリプロピレン・フィルムコンデンサなどは全て、ムンドルフ製の特注品です。結果、平均インピーダンスで8Ω、最小でも5.9Ω、能率86dB(1W時)という素晴らしいスピーカーが完成しました。

image FINK team KIM Crossovers Front Baffle



SPIKES / DOMES

KIMにはFINK teamが設計し、オーステナイト系304非磁性ステンレスから加工した専用スパイクが付属しています。耐久性、精密加工性、耐環境性に優れたこのスパイクはKIMから最高の性能を引き出すだけでなく、フローリングなどに傷をつけたくない場合は、先端部をドーム型に変更する事も可能となっており、ユーザーはインシュレーターなどを別途用意する必要がありません。数多くのスピーカー設計を請け負ってきたFINK teamならではの配慮と言えるでしょう。

image FINK team KIM Spikes



STAND

スタンド設計はスピーカーにとって非常に重要です。どのスピーカーにも合うスタンドなど存在しません。KIMのためだけに設計されたこのスタンドは、エネルギーを蓄積せず最適に逃がすよう意図的に軽量化されており、音響効果が最も低くなるように表面積が少なく、全面が開放されています。ボックス型スチールで製作されているため非常に剛性が高く、約5度の角度が設けられています。この角度によって一般的な試聴距離で、ソファーなどに座ったリスニングポジションで最適な再生が可能となります。スタンドはスピーカー本体と連結されているため、落下の心配もありません。



TERMINAL PANEL / CONTROLS

低抵抗で接続性の高い無垢の銅をニッケルメッキした重量級のスピーカー端子は、非常に握りやすく接続のしやすさに加え、長期間放置した後でも容易に緩める事が可能です。また設置される部屋や接続されるアンプに合わせる事ができる2つのコントロール端子を装備。HFコントロールは高域のレベルを3段階で微妙に変化させる事が可能です。また、組み合わせるアンプに合わせて変更可能なダンピングコントロールも装備。真空管アンプ、アンティークアンプのようなダンピングファクターの低いソリッドステートアンプ、そしてダンピングファクターの高いソリッドステートアンプに適した3ポジションが用意されています。

image FINK team KIM TERMINAL PANEL




COLORS

4種類のスタンダードフィニッシュ(1:ホワイト/スティールグレイ、2:アメリカン・ウォルナット/ホワイト、3:アマーラ/ブラック、4:マットブラック)を用意しました。また特注でオリーブ/ホワイト(¥2,100,000 税別)、アメリカン・ウォルナット/ブラック(¥2,100,000 税別)、ハイグロス・ピアノブラック/ブラック(¥2,400,000 税別)も選択可能です。

image FINK team KIM Colors

左より ホワイト/スティールグレイ アメリカン・ウォルナット/ホワイト アマーラ/ブラック マットブラック



Specifications

モデル名 KIM (キーム)
型式 2ウエイ・バスレフ型(スタンド一体型)
ユニット 1×110mm オリジナル AMTユニット
1×203mm オリジナル・パルプコーン
(38mm径ボイスコイル)
周波数特性 35Hz ~ 25kHz(-6dB)/ 45Hz ~ 23kHz(-10dB)
能率 86 dB @ 2.83 V / 1 m
全高調波歪 0.2 % THD @1W
能率 86 dB @ 2.83 V / 1 m
クロスオーバー 2200 Hz
平均インピーダンス 8Ω以下
最低インピーダンス 5.9Ω@160Hz/td>
サイズ H854×W300×D310(412 スタンドの傾き含む)mm
重量 25.1 kg / 台(固定スタンド含む)
セッティングスイッチ ツィーターレベル(3段階)
ウーハーダンピング(3段階)
ターミナル シングルワイヤ接続
仕上げ ホワイト/スティールグレイ、アメリカン・ウォルナット/ホワイト、アマーラ/ブラック
マットブラック、その他3種類の特注色あり

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